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再建素材について
前十字靭帯の再建素材として現在一般的に使われているものとして骨付き膝蓋靱帯(以後BTB)とハムストリング腱(以後STG)があります。それぞれに長所と短所があります。BTBは素材として強く、早期に骨トンネルに固着します。一方、腱採取部の痛みなどのために術後のリハビリに苦労すると一般的には言われています。(スポーツ復帰までに要する期間は、学会報告では一般的にBTBは平均で10ヶ月、STGで8ヶ月といわれています。) STGは、膝の裏から採取するので膝前方の痛みが少なく術後のリハビリが比較的容易である一方素材としての強度はBTBに及ばず、さらに骨トンネルと素材との固着が弱いと考えられます。結果としてスポーツ復帰後に再建靱帯が再断裂する率が膝蓋靱帯よりも高いと私は考えます。総合的に判断して私はBTBを素材として選択しています。(もともと学会報告に100例以上の症例を集めたものが少なくしかも再断裂率を明らかにしているものはさらに少ない。私自身のSTGを使った再建術150例の経験と友人の複数のドクターの経験を総合するとSTGでは4〜5%に再断裂が起きていると考えて良いと思われる。それに対し、私の最近5年間のBTBを使った再建術の再断裂はわずか2例で率とすると0.4%である。)  
我々の手術法では膝蓋靱帯の中央三分の一を上下に骨片を付けて採取したものを再建素材として使用します。Photo19 photo19
Photo19
この素材の持つ短所を我々は様々な工夫により現在では完全に克服しています。術後のリハビリを円滑に行うために皮膚切開を小さな二つの横切開にし (Photo20)、上下に付ける骨片の長さを最小限にする。(Photo21)さらに移植素材の固定を大腿骨側はエンドボタン(Smith & Nephew)で脛骨側は糸と固定スクリューとして可能な限り単純なものにするなど様々な工夫をしています。(Photo22)(これらの工夫は先に述べた解剖学的な骨トンネルの作成ができてはじめて可能なことであります。)ここに掲載した手術中の写真は最近(2003年5月)手術を受けた私自身の左膝(一次的修復を受けたのは右膝)の写真です。
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